捨てた紙、捨てられない紙 スズキナオ

なぜか捨てられない、様々な紙への乾いたユーモアと柔らかな愛。

現代エッセイの名手による集大成的1冊!

「なんでこんなものまで取ってあるんだよ!」と、過去の自分に対して腹が立つほど、各時代の自分が捨てられずに残してきた紙たちが部屋のあちこちから現れる。どうして捨てられないのだろう……膨大な量の紙を見つめて、改めてそれら一枚一枚に対する思い入れを文字にしてみようと思ったーー(あとがき「捨てた紙」より)

誰もが家のどこかにある〝捨てられない紙〟。そこに浮かび上がるのは、ささやかな日々の記録、今はもうない店や場所、家族や友人との時間……それらを乾いたユーモアと柔らかな愛をたたえた視点で炙り出す珠玉のエッセイ。なんでもないような日常や、旅、酒、店、音楽、そしてあまり語られなかった幼少期や学生時代のこと……。図らずもスズキナオの集大成的な一冊になりました。

以下は著者からの告知動画になります。

【目次】

はじめに ーー捨てられない紙に囲まれて

第一章 なくなった場所の紙

一点の曇りもなく、楽しいだけの時間 

一度きりのハイボール 

大きなお好み焼き

淡路島の銭湯

あの店の続き

オルグのこと

「プラネタリューム」という名のお菓子

書くことに対しての無責任さ

第二章 家族の紙

だいたいは適当でいいでしょ

なをちやん かうさんより

向かい合って

きっといい一日だった

何もかも許してもらえる土地

伯父の顔

自分でつくったシャービックの味

誰にも読まれることなく、私に渡された

さくらももこと結婚したい

今の私から、ありがとう

第三章 自分を思い出す紙

島での記憶

テクノを好きになって

諦めてはいない、だが何もしてはいない

わさび巻を食べて泣いた

手のひらに走る光

悪い事はしなかったが、良い事もしなかった

大仏を前に重なる時間

あの海に行く前の私

プロのサーファーだった私

しっかり足を踏み出して

コピーライターに憧れて

深夜番組が好きだった

みんなに回復を願われていた

就職活動にまつわる記憶のすべて

森田童子のCDを買ってもらう

あの日の気分が蘇ってくる

第四章 うれしい紙

ショートカットの女性

本物の野球よりファミスタの方が面白いんじゃないか

雪の犬小屋

どこかであのみんながレコードをかけている

はじめてもらった評価

幸せなバンド

ダンスミュージックとサブカルチャーに救われた

記憶にないライブ

暗い記憶、楽しい記憶

お金を払ってもできない旅

勝手にまち探訪

優しい声

ジャニスの想い出

第五章 よくわからない紙

とにかく、立ってちゃんとするまで

腐った声

イメージの幽霊

自信をとりもどすために

あのチラシの人?

お金がほしい日は昼にTEL

くるったように せかいがまわる

それ、本に戻さないの?

馴染みの店があったなら

T君のこと

何もない街

捨てた紙 ーーあとがきに代えて

著者 スズキナオ

1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。ウェブサイト『デイリーポータルZ』などを中心にエッセイやコラムを執筆。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと 増補新版』『新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く』『家から5分の旅館に泊まる』『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(以上、太田出版)、『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)、『「それから」の大阪』(集英社新書)、『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる』(新潮社)、『ずっとあった店』シリーズ(ことさら出版)など多数。酒場ライター・パリッコとの共著に『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)、『そこそこでいいんだよ 「酒のほそ道」の名言』(太田出版)ほか、古賀及子との共著に『文通 答えのない答え合わせ 』(シカク出版)などがある。人力テクノラップバンド「チミドロ」のメンバーであり、シンガーソングライターbutajiとのユニット「遠い街」など音楽活動も行う。

捨てた紙、捨てられない紙

スズキナオ

2026年8月上旬発売予定

四六判 上製本 272頁

装画 加藤崇亮

本体2000円+税
ISBN 978-4-911580-02-8